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当学院保護者様向けメール通信から…2022年を振り返って

2022/12/31

大晦日です。月日の過ぎる早さを実感する日です。

当学院では保護者様へメール通信を配信しております。
今日は大晦日。年内最後の配信です。
このブログに、私が2022年を振り返ってまとめた文章を転載いたします。

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「近況報告」とはここ数日、数週間ぐらいの期間に起こった出来事を皆さんにお伝えするものですが、今年最後のメール通信ですので、今年一年を振り返ってのご報告をさせていただければと思います。
 新型コロナウィルスの影響により、外に出る機会が大きく減ってしまいました。私のようなものでも、朝から事務室のデスクに向かうことの方が以前よりも多くなりました。視野に入るものはPCのディスプレイと散らかった机の上のみ。たまに滅入ってしまうこともしばしばでした。そんな中で、ふと自分の過去を振り返ってみると、たどりついたものは自分の専門とする中国思想、中国文学です。そんなものから離れて幾十年もたつのですが、自分の心の拠り所となるのは自分が学んだ専門分野ということになるのでしょう。そんな中で、今年の夏に「論語」を学び直し、そのおまけで「論語指導士」なる資格を取得し、何となく漢詩や別の古典を読みあさっていると、今の国語教育に欠けている視点がいくつもはっきりしてきました。ここで詳細を述べることもできませんが、世論におされ、「不必要」「役立たず」とレッテルを貼られたものの中に今の、そしてこれからを生きるためのヒントがいくつもあることがわかりました。
「国語はなぜ学ぶのか」「国語で何を学ぶのか」という問いへの回答は、そう簡単に導き出すことができないと承知していますが、少なくとも「ものが読めるようになるため」だけではないことは確かだと思います。もちろん「ものが読めるとはどういうことか」ということを突き詰めていけば、それはそれで深い話になってくるのですけれども、ただ文字をなぞり読める、速く読める、ドリルの問題が解けるようになるということだけではないのも確かなことです。そして、私が最近行き着いた仮説が「国語は国語という単体を学ぶものではない。広く知識、教養を学ぶもの」ということです。古典をもっと授業に取り入れたい、韻文を学び、創作できる機会を設けたいという思いはそんなところから発しているものです。
 国語専科として塾を開き、今日まできましたが、もちろん昔も今も、需要は「入学試験に合格できるための国語の指導」「定期テストで点数を上げるための国語の指導」です。それはこの社会の仕組み上、当然の需要になります。上記に述べた私の思いは需要から外れたものであることも承知しています。ただ、「入学試験」や「定期テスト」は子どもたちに生きるためのヒントは教えてくれません。これまでの指導経験や指導技術により、試験に合格をさせることはなんとかできます。しかし、一人ひとりの子どもの、それぞれの生きるためのヒントは私ひとりの経験では伝えきることなどできないのです。だからこそ、これまでの叡智、知恵を備えた古典、行間を読む勘所を養う韻文にもっとスポットライトを当てなければならないのではないかと考えるのです。
 新型コロナウィルスによる社会の変化、それ以前から行われていた教育政策の変更により、今の大人の価値観では子どもたちの生き方にアドバイスはできなくなりました。社会は変わったのです。もしかすると、入学試験の合格、定期テストの点数では子どもの将来を担保できなくなるかもしれません。そこで大事になるのは何でしょうか。答えがわかるのはもう少し先かもしれません。
 2022年、あっという間に終わってしまいました。そう思うのも自分が年齢を重ねたからかもしれません。細々と運営していた1年でした。需要から外れたことばかり考えた1年でしたが、この需要の外れにあることに、物事のヒントがあることは間違いないでしょう。そう考えるのも需要から外れたことなのでしょうか。その答えも2023年に持ち越しになりそうです。

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2023年、小春学院をもっといい塾になるように、いろいろ取り組んでまいります。

「需要から外れたっていいじゃないか」と胸を張って言える塾に近づけるように日々精進していきたいと思います。

2022年、ありがとうございました。

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