2021/10/17
こんにちは。
古典の学習について、前回は音読は大切だという話を書きました。
今回は、高校生向けの内容になります。一部、中学生にも言えるでしょう。
音読は、古典を学習するのに必要な音の感覚を磨くための取り組みです。
今回は、この感覚に上乗せするための知識の学習についてです。今回は特に、古文単語、古文文法について考えてみましょう。
(例1)①「にほひ」、②「かなし」、③「あな、うたて」を現代語にしてみましょう。
①は「美しい色」「気品、威光」、②は「愛おしい」、「悲しい」、③は「ああ、いやだ」です。
日本語だからといって、なんとなく読んでいると、大きな誤読に陥りそうですね。
このような古文単語は回数多くして学習して、覚えていくしかありません。
古文単語帳でひたすら覚えるもよし、ノートに自分でまとめるもよし。
いずれにしても、覚えることを覚えなければ、正しい読みにつながりません。
(例2)「それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。」を現代語訳してみましょう。
注意するべき箇所は、「それを見れば」という部分です。「ば」という言葉(助詞)を見ると、今の感覚ですと「もし~ならば」というように仮定、条件のように思われるでしょう。しかし、ここは「それを見ると」というように、「順接」(前の内容が後の内容の順当な原因・理由などになるつなぎ方)になっているのです。そうなる根拠は、「ば」の前の動詞「見る」の形(活用形)です。「見れ」はここでは「已然形」という活用形です。「已然形+ば」は「~ので」「~すると」と訳します。ですから、ここでは「それを見ると」と訳します。
※現代語訳「それを見ると、三寸ほどの(小さい)人が、とてもかわいらしい姿ですわっている。」
これは古文文法を学習しなければわからないことです。
音読による感覚と、古文単語や古文文法の学習によって得た知識がつながることで、文章を読む基礎ができます。そういう学習をぜひ早めに取り組んでいくといいですね。