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空間を越えた「謦咳」

2022/02/24

「謦咳」という言葉があります。これはせきばらいやしわぶき、また、人が笑ったり話したりすることを表す言葉です。「謦咳に接する」と言えば、尊敬する人に直接会って話を聞く、という意味になります。

これまでの教育の現場の前提にあったのは、先生と児童・生徒が直接会って、その教えを聞くという「謦咳に接する」という形のものでした。これによって、先生の教えを肌に感じながら学ぶことができるというのも一理あるかもしれません。

ところが、今は感染症への対応から「謦咳に接する」というのがままならない状態です。せきやくしゃみをマスクなしでしたら、周りは大騒ぎ?などということもあります。

ところが、私たちはテクノロジーによって、空間距離を置いて「謦咳に接する」ことが可能になりました。それがオンライン授業です。画面の向こうで先生の「謦咳」を聞く機会を得ることができたのです。

さて、以下のようなアンケート調査が実施され結果が掲載されています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000045711.html

調査主体と調査対象の関係については考慮するところがありますが、
「オンライン学習塾のメリット」という項目について
「送迎がなくなる」、「家の近くに塾がなくても通える」「部活や習い事と両立しやすい」などのメリットを感じられている方もいることは確かです。

私がそろそろ「対面授業が主・オンライン授業が従である」という考え方を克服しなければならないのかなと思っています。例えば、数学の三平方の定理を学習するのに、対面授業とオンライン授業で何か違いがあるのでしょうか。「斜辺の長さの2乗は、他の2辺それぞれの長さの2乗の和である」ということは、対面だろうがオンラインだろうがどちらも同じです。ただ、それが無機質な「映像授業」として一方的に見るとなると、上の空になるかなと思いますが、それは対面だろうがオンラインだろうが同じです。最後は指導する者がいかに工夫して伝えているかということです。

教える人もそれぞれで、もしかすると対面ではうまく伝えきれないという思いを持った先生が、オンラインではご自身のアイデアをテクノロジーに乗せてうまく伝えられるかもしれません。一方で、対面での授業が活発にできるという先生が、オンラインではそれをうまく伝えきれないという場合もあるでしょう。
そう考えると、「対面授業が主・オンライン授業が従である」という考え方そのものが成り立たない考え方だということが分かります。

先生の教科指導の力というのは、先生がそもそも持っている指導知識と経験、対象への観察力などの総合力です。一斉授業がうまいから個別もうまいとも限りませんし、個別に教えるのがうまいからといって、一斉授業をうまく展開することができるとも限りません。それぞれの指導の現場しだいで、パフォーマンス力が変わってくるのです。

とまあ、ぐだぐだ書いているのですが、いろいろな経験値を持った先生、指導知識や児童・生徒を観察する力がうまくかみ合った先生との出会いがあると、児童・生徒はもっと元気に学習することができるのではないかと思います。それが対面だろうが、オンラインだろうが、結局手段が違うだけですので。

ご興味ある方は、当学院の対面授業、オンライン授業の双方の模擬授業を受講してください。何か大切なことをお伝えできればと思います。お問い合わせは以下まで。
http://www.koharugakuin.info/contact/

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