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文章読解の「速く読む」と「速く解く」

2022/02/28

前回のブログでは、「速く読む」の前にまずは自分が文章を読むのにかかる時間を知ろうということ、「読むのが遅い」ということと「読まずに解くから時間がかかる」ということは全く違うという話をしてみました。

さて、文章読解という言葉には「読む」と「解く」という2つの動詞が含まれています。
テスト・試験で大切なのは、「読む」速さと「「解く」速さのバランスです。
国語が苦手な子、嫌いな子について前回もお伝えしましたが、
このような子はそもそも「読む」ことよりも、「解く」ことにばかり執着し、文章を読んではいません。ですから、「うちの子、文章が読めないみたいで」というお困りの相談は、「文章を読むことができない」というのではなく、「文章を読んでくれない」という意味になります。そう言えるのは、そのような子にちゃんと読みましょうと指導する、あるいはこちらで読んであげて、説明すると問題をちゃんと「解く」ことができるからです。もちろん、語彙や知識が少なくて、文章の意図が分からないという子もいますが、そういったこととは別にして、まず文章を読んでもらうということをしていくことが第一の指導になります。

しかし、そうすると、文章を読むのがそもそも嫌いなのですから「速く読む」が「雑に読む」になってしまう子もいます。「速く読む」ことへの私が持つ懸念というのはそこにあるのです。「雑に読む」と文章への理解はほぼありません。理解していないのに問題を「解く」というのはそもそも不可能です。

たしかに、決められた時間内に文章を読み、それについての設問を解かなければいけないのですから、じれったい作業としての「読む」は速く終わらせたいと思うのも分かります。しかし、それではいつまでたっても「解く」そして「点数を得る」ことはできません。

順を追って考えてみると、正しく「解く」ことができれば、「点数を得る」可能性が高くなりますが、「速く読む」ことができれば、「点数を得る」可能性が高くなるとはいいきれないのです。まして、「速く読む」=「雑に読む」→設問を「解く」→「点数を得る」という流れは成り立たないのです。「速く読む」ことへの懸念はこのスパイラルへの懸念なのです。

では、どうすれば決められた時間内に解答を完成させることができるのでしょうか。

まず大事なのは、文章をゆっくり、丁寧に読み、内容を理解する実力を身につけることです。
正直、すぐに身につくものではないのですが、新学年に向けて今のこの時期であればそれが可能でしょう。「速さ」「効率」はさておいて、まずはこの基本的な読むことへの姿勢を身につけるのです。

そうして文章の理解の土台があれば、「解く」速さは身につきます。なぜなら、文章が分かっているから、設問にすぐ答えられるのです。つまり「速く解く」ことができるようにするために、「ゆっくり、丁寧に読む」姿勢を身につけていくのです。こちらの方が正答率が遙かに上がります。

「でも読んでいる途中で、時間がなくなったらどうしよう・・・」という不安もあります。
今お伝えした順序通りに読む姿勢ができていれば、読む速さの調整はなんとかなります。

・視線がずれないようにするために、指で文字をなぞりながら読む。
・同じ文章の同じ範囲を読んで、その時間を計る。(時間の意識付け)
・耳栓をして、読むことに集中する。(外の音を遮って、読むことに集中する。)

読むのが遅くなる原因は、文章以外のことが頭の中に入ってきてしまうからです。読むのにふさわしい環境を作っていくことが大切です。

「速く読む」と「速く解く」のバランスを均衡にしながら、テスト・試験に臨んでいけば、得点も上がっていきますよ。(すぐにではないですが・・・)

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