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韻文に近づく

2022/03/15

細かい定義はさておいて、和歌、俳句、漢文、詩などは韻文とカテゴライズされます。

国語を学習するというときに、ひとまず「後回し」にされがちなカテゴリーでしょう。
説明文、論説文、評論文、随筆、物語といった、比較的長い文章の読みができるようになることを優先させてしまいがちです。

ところが、いざ韻文を読むというと、まったく読めないという児童・生徒が多いですね。
文章が長ければ長いで、読み切れないと言われてしまいますし、短ければ短いで何が言いたいのかわからないと言われてしまいます。

韻文の読み取りが苦手となる理由の一つが、そもそも文が短いからということがあります。説明文なり、随筆なり、物語などは長い文章の中にいろいろな情報が書かれているので、それを頼りに筆者が伝えようとしていることを整理していけば読み取りはできます。しかし、韻文では文が短い、文字数が少ないために、情報そのものがないという壁にぶつかります。頼りにする情報がないのですから、「何が言いたいのかわからない」ということになります。

韻文に近づく一歩として、当学院で取り組んだことに「俳句作り」があります。

先日のブログの中で思いつくままに作成した「国語の家庭学習計画案」には、その中に「韻文(俳句作り」「韻文への理解」を加えました。国語は長い文章を読むだけの学習ではありません。文字が少なくても、伝えられることはあります。それを読み取ることも大切な国語の学習です。その第一歩として、俳句作りをしてみるのはどうだろうか、作れば読み取りのポイントもわかるのではないだろうか、そんな思いで始めた取り組みが「俳句作り」です。参加してくれた児童にはけっこう楽しんでもらえました。

参考にしたのは、夏井いつき先生の「世界一わかりやすい俳句の授業」(PHP研究所 2018年)です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4569840965/ref=cm_sw_r_tw_dp_0W626JG43DWGR42QAQ2Q

参考にしたのは指導者である私ですが、それをもとに児童に毎週何句かつくってもらいました。
はじめは戸惑ったり、何を書けばいいかわからなかったりしていた児童も、コツをだんだんつかめてくると、さまざまな俳句を作れるようになりました。

俳句作りを通りして、俳句が読めるようになった児童もいました。書くと読むは同一線上にあるという私の考えはまさに当たっていると実感しました。

また、第39回全国児童生徒俳句大会(大分県玖珠町)にも参加し、1人3句ずつ提出しました。

その結果が、先日届きました。

1人の児童(小2のTくん)が見事に入選でした!
わぁ、びっくり!

これまで俳句など作ったことなかったのでしょうが、
何か伝わるものがあったのでしょう。

T君、おめでとう!

今年も11月ぐらいから俳句づくりをします。たくさん作っていけば、これだ!というものがあります。それが俳句です。

韻文は遠回しにされると冒頭に書きました。遠回しならまだいいのですが、明らかに省かれてしまうこともあります。しかし、韻文の学習にこそ、文章を読むための種があるように思います。韻文は感覚で学ぶものではありません。感覚を表すのは、事実や知識の蓄積に基づいた言葉です。そのことに目を向けず「センス」という一言で終わらせてはいけません。韻文の学習でそのことをしっかり学ぶことは国語を学ぶ上でとても大切なことだと思います。

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