こんにちは。
しばしば、「大人目線」、「子ども目線」という表現が使われます。
なんていうことはなく、それぞれ「大人の立場から見ると」、「子どもの立場から見ると」ということになります。
小学生の保護者の方のうち、ご自身のお子さんの勉強に関して心配ごとがあると、どうしても「大人目線」で言ってしまうこともあるのではないでしょうか。とかく、国語という教科については、他の教科と異なり、日常生活の中で「日本語」を用いているがために、「子ども目線」から大きく離れてお子さんを見てしまうのかもしれません。
言葉の発達を見る場合、一緒にいると、「なんでそういう言葉しか出てこないの?」と思うこともしばしばあるかもしれません。(逆に「なんでそんな言葉を知っているの?」と思うこともしばしばあるかもしれません。)
言葉の発達をものさしを例に考えてみましょう。
大人の語彙量を50㎝、あるいは60㎝ぐらいのものさしで表すとすると、子どもの語彙量は学齢によりますが10~15㎝ぐらいになるかもしれません。もしかすると、8㎝、5㎝のお子さんもいらっしゃるかもしれません。
当然、「大人のものさし」で測れば、子どもの語彙量は少ないですし、子どもによっては極端に少ないのかもと心配もしてしまうかもしれません。そこで振り返ってみてもらいたいのは、ご自身のものさしははじめから50㎝も60㎝もあったのでしょうか、ということです。
時候の挨拶、慣用表現、専門用語、などいろいろな語彙がありますが、そのような語彙をこうして身につけられたと説明できますか?正直、いろいろな説明があると思います。ただし、その説明に共通しているのは、長い人生をかけて蓄積していったものであるということです。
「何卒、よろしくお願い申し上げます。」という表現は大人になって誰かが使っているのに出会い、それを同じように使うようになったからそのような表現ができるようになったはずです。小学生が「何卒~」という表現を使っていたら、「どうしたの?」とおどろいてしまいます。
私たち大人の語彙は私たち自身がたどってきた人生の中で出会った語彙とリンクするのです。ところが、ある程度ものさしが長くなると、ものさしの目盛りを増やすことが難しくなります。せいぜい覚えるのは、それまでになかった新しい言葉ぐらいでしょう。
ところが、子どものものさしはどうでしょう。人生もっと長いのです。いろいろな人や物、学習などとの出会いを通して、ものさしの目盛りをどんどん増やすことができるのです。それを待てずに、無理に語彙を増やそうとすれば、ただものさしを引っ張って、目盛りと目盛りの間隔を広げるだけで、語彙量そのものは変わらないということも起こりえます。もしご心配であるのならば、お子さんに大人として言葉を会話の中で直接教えてあげればいいのです。「こういう時は〇〇と言うんだよ。」その一言で、お子さんのものさしは目盛りを増やすことができるのです。
語彙をどのように増やすか、国語の学習では重要項目です。語彙が少なければ、読み取りにも限界があります。だからといって、無理やり、詰めこもうとしても目盛りを増やすことはできません。お子さんの経験の中で語彙の習得が自然な形で行われればよいはずです。
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