□■□□■小山国語教室からお知らせ■□□■□
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こんにちは。
早速ですが、次の文章を読んでみましょう。
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今朝、息子のけんたと理髪店へ行った。理髪店の待合で順番待ちしていると、
「今日は、坊主にでもしようか。」
彼の突然の言葉に、私は言葉を失った。
「水不足だから、坊主で節水だよ。」
思いつきにしては筋は通っている。彼なりの世の中の事象への向き合い方なのだろう。毎朝、洗面台の鏡に向かって髪をいじっている人間とは思えず、わたしは驚いたものの、どこなくうれしさも感じた。
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(問)「坊主で節水」がなぜ「筋が通っている」と「わたし」は感じたのでしょうか。
もちろん、この問いの答えは文章中にはありません。しかし、ちょっと考えればわかりそうですよね。
ここでいう「節水」とは洗髪時のことを述べているのでしょう。長い髪は洗髪時に水を多く使用しますが、短髪あるいは坊主であれば、少ない水の使用ですみます。つまり、坊主にすれば、洗う時に流す水が少なくて済むから、「筋が通っている」と言えるのです。
「髪が長ければ、洗う時に水を多く使う」「髪が短ければ、洗う時に水が少なくてすむ」ということは、わざわざ文章で記さなくても、読み手と共有できる内容になります。ということは、筆者が読み手に対して「分かるであろう」知識や事実、経験については、わざわざ文章中では述べることはないのです。そのような知識、事実、経験は読み手が備えていなければ、書かれた文章の内容を正しく理解することはできないのです。実は、私たちは言葉でやりとりをしているとき、無意識にこの知識の前提を発信者、受信者ともに共有しているのです。会話であればなおさら、「知っているよね」ということについてはわざわざ言葉にすることなく、意思疎通をはかることが可能なのです。
国語のテストについて言えば、字面通りの内容だけを追う問題は難易度「易」に位置付けられますが、字面に表されていない内容までふまえた問題は難易度「難」に相当します。いわゆる国語の文章読解で難易度「難」の問題を解答できるようにするためには、前提となる知識、事実、経験をかねそなえていなければならないのです。出題する側も「それぐらいのこと分かるよね」「そういう感覚ってこの文章を読めば同じようにわかってくれるよね」という期待をこめて問いを立てているのです。だから、字面だけ追う「宝探し」ではいつまでたっても解答することはできないのです。かねそなえるべきことをしっかり準備して、試験にのぞみたいものですよね。